「カラーコーディネーター検定と色彩検定はどっちを取るといいの?」
「カラーコーディネーター検定と色彩検定の違いってなに?」
このような疑問をみなさんお持ちではないですか。
カラーコーディネーター検定と色彩検定もよく聞きますが、実際仕事に活かすにはどちらが適切か、そもそもどう違うのか一見違いがないように見えます。
この記事では、カラーコーディネーターの資格と色彩検定の違いやメリットを詳しく解説し、どちらがデザイナーにとって適しているかを紹介していきたいと思います。
どちらの検定も多くの業界で活かすことができるのでおすすめです!
- カラーコーディネーター検定と色彩検定の違い・特徴
- カラーコーディネーター検定と色彩検定どちらを取るべきか
- 検定を活かせる場面
- 検定に向けた勉強方法
この記事を読むことでカラーコーディネーター検定と色彩検定の違いがわかります。
また現在、どちらを受けようか迷っている方にも参考になる内容になります。
目次
カラーコーディネーター検定と色彩検定の違い
まずは、カラーコーディネーター検定と色彩検定の概要を紹介します。
項目 | 色彩検定 | カラーコーディネーター検定 |
受験資格 | 制限なし | 制限なし |
試験期間 | 夏期(6月), 冬期(11月) | 夏期(6月~7月), 冬期(10月~11月) |
試験会場 | 受験時に希望したエリア | CTB式:全国の指定会場(テストセンター) IBT式:自宅のパソコン |
試験方式 | マークシート方式(一部級で記述式・実技あり) | マークシート方式 |
検定料 | 3級: 7,000円, 2級: 10,000円, 1級: 15,000円, UC級: 6,000円 | アドバンスクラス: 7,700円, スタンダードクラス: 5,500円 |
合否発表までの期間 | 試験後の1~2ヶ月後 | 試験後すぐ |
制限時間 | 3級: 60分, 2級: 70分, 1級1次: 80分, 1級2次: 90分, UC級: 60分 | 90分 |
合格基準 | 満点の70%前後(年ごと前後する) | 100点満点とし、70点以上で合格 |
受験数 | 年2回 | 年2回 |
出題範囲 | 色彩に関する基本的な事柄から応用的な内容 | 色彩の基礎から応用まで、広範囲にわたる |
どちらも受験資格は特になく、だれでも受験することができます。
試験方式や出題範囲、年間の試験の回数など似ている箇所もありますね。
では次からは各検定の違いについてもっと詳しく解説していきます。
カラーコーディネーター検定とは
カラーコーディネーターは、東京商工会議所が主催する色彩を専門的に扱う検定です。
ファッション、インテリア、グラフィックデザインなど工業の幅広い分野で活かすことができます。
デザイン制作・企画立案時などに色彩計画を立案し、色の調和と美的バランスを実現することができます。
色彩の知識だけでなく、トレンドの理解や顧客のニーズを把握する能力も要求されます。
また、色の心理的な効果を学ぶこともできるので、仕事以外にも服などのコーデやSNS投稿などでも使用できるのでプライベートでも役に立ちます。
前までは1級、2級、3級と3段階の検定でしたが2020年にスタンダードクラス、アドバンスクラスの2段階の試験になりました。
ネットでも検定を受けることができ受験しやすくなっています。
受験料は、
スタンダードクラス:5,500円
アドバンスクラス:7,700円になります。
※試験資格はないため、アドバンスクラスからの受験も可能です。
色彩検定とは
色彩検定は、文部科学省の後援を受けて色彩に関する知識や技術を認定するための検定です。
国家資格ではありませんが、文部科学省の後援の影響もあり知名度も高い資格になります。
色彩検定は、色彩理論、色彩心理、色彩感覚など、基本的な色彩知識をついて習得できる資格で、デザイナーや色彩を専門とする職業に従事する人々にとっておすすめの資格になります。
1級、2級、3級、UDの4種類があります。
受験料は、
UC級:6,000円
3級:7,000円
2級:10,000円
1級:15,000円
※試験資格はないため、1級からの受講も可能です。
こんな仕事で役立つ
では、続いてはカラーコーディネーター検定と色彩検定がそれぞれどんな時に役に立つのか解説していきます。
カラーコーディネーター検定
カラーコーディネーターは、どちらかと言うと商業分野や環境色彩の分野での活躍に役立ちます。
製品の色やデザイン、グラフィック、インテリアなどに色の専門知識を活かすのに適しています。
インテリアの分野では幅が広く、家具から、レイアウト、施設関係など活かすことができます。
グラフィックやWEBなどのデザイン全般では、媒体に掲載する製品・サービスなどをどのようにしたらより魅力的に伝えることができるのか、色彩の観点から理論立てて制作・提案することができます。
特に製品の販売・企画やマーケティングなど、製造や販売の分野では色がどのような影響を及ぼすのかが企画・提案の重よな要素になる為、理論的に配色することが求められるためカラーコディネーターの活躍が見込まれます。
色彩検定
色彩検定は、色全般の幅広い知識を習得することができます。
出版・広告業界や印刷業界でも配色や想定した色を印刷会社と売り合わせる時に役立つなど役立つ機会が多いです。
また、主催団体がファッション関係する業界の団体だったことから、主にファッション、アパレル、コスメなどの美容系の分野でも力を発揮することができます。
またUC級が2018年より新設されました。
UC級とは色のカラーユニバーサルの意味で色覚の多様性に配慮した誰もが見易い色使いを行なうことを目的とした資格になります。
特定の色の組み合わせが判別しにくい人は日本だけでも300万人以上いると言われます。
検定の難易度・合格率
次は難易度を見ていきましょう。
2022年度 色彩検定 受検者データ
級 | 合格率(%) | 受験者数(人) |
1級 | 39.6% | 2,423人 |
2級 | 77.4% | 16,807人 |
3級 | 76.9% | 31,452人 |
UC級 | 85.8% | 5,871人 |
2022年度 カラーコーディネーター検定 受検者データ
級 | 合格率(%) | 受験者数(人) |
アドバンス | 60.7% | 2,060人 |
スタンダード | 80.2% | 5,917人 |
参考:カラーコーディネーター検定 2022年度 色彩検定 受検者データ
カラーコーディネーター検定と色彩検定ですが、一番の検定ではカラーコーディネーター検定の方が合格率が高い傾向にあります。
色彩検定1級の合格率は39.6%とこの2つの検定ではもっとも合格率が低いことになります。
傾向としては、カラーコーディネータ検定の方が、デザイナーや作品なども覚える必要があります。
また、色彩検定は、基本的な色彩知識から応用的な技術まで、段階的なレベルに分かれており3級はこれから学ぶ初心者にも比較的優しい難易度と言えます。
初級レベルでは色彩の基本原則が、上級レベルではより複雑な色彩計画や色彩心理に関する知識が試されます。
合格率も検定を受ける時の参考の1つにしてみましょう。
取得するメリット
カラーコーディネーター検定と色彩検定をどちらも色について基礎から学べる資格で、デザインなどにも活かすことができます。
さらに、クライアントや雇用主に対して自分の技能を示すのに役立ち、キャリアアップのチャンスを増やすことができます。
カラーコーディネーター検定は、商業分野や環境色彩と幅広い分野での活躍に役立ちインテリア、製品の企画、マーケティングなどにマッチする資格です。
色彩検定は特に色について基礎から幅広く習得できる資格とされておりファッションや広告・DTPなどの印刷関係の業務でも活躍できます。
このように、一応大まかに別れてはいますが、色を扱う検定なので共通点も多くどちらの資格も総合的に色について学ぶことができます。
迷った時は色彩検定3級
迷ったときの私のお勧めは色彩検定の3級です。
1.比較的短時間で習得できる
2.色についての基礎を効率的に学べる
3.途中から他の検定にシフトできる
4.認知度が高い
1.比較的短時間で習得できる
まず合格範囲ですが、カラーコーディネーター検定の範囲は広く色彩検定の3級〜1級に内容が含まれます。
勉強時間は、色彩検定3級ならば1ヶ月集中的に勉強すれば合格することができます。
勉強時間は約60時間(毎日2時間の勉強で約30日の計算です。毎日1時間の勉強で約60日になります。)
テキストを読み込み問題集を2.3周ほど行う必要があります。
2.色についての基礎を効率的に学べる
色彩検定1級・2級の受験内容には、色彩検定3級の内容が含まれます。
いきなり1級・2級を受けると内容が全くわからない……なんてことになります。
基礎からしっかり学びたい方は、なおさら3級から受けていくのがおすすめです。
カラーコーディネーター検定もも同じように、アドバンスクラスにはスタンダードクラスの内容が含まれるため順番に受けていくのがお勧めです。
3.途中から他の検定にシフトできる
カラーコーディネーター検定も同じですが、両検定は共通点が非常に多く、途中で色彩検定→カラーコーディネーター検定のように切り替えても知識が無駄になりません。
「やっぱりカラーコーディネータのスタンダードクラスにしたい」と思った時に今までの勉強が無駄にならないのはうれしいですね。
4.認知度が高い
色彩検定は文部科学省認定の資格であり、検定としての多くの方に認知されています。
受験者数も色彩検定3級の受験者数が31452人、カラーコーディネーター検定アドバンスクラスの受験者数が5917人と色彩検定3級の方が受験者数が多いです(2022年の受験者数参照)
勉強方法
カラーコーディネーター検定スタンダードクラスも色彩検定3級も独学で勉強可能です。
市販テキストと公式のテキストがあります。
おすすめは公式のテキストになりますが、それをさらに初心者向けに噛み砕いて解説しているので市販テキストになりますので、公式テキストが難しいと思った方は市販のテキストで自分に合うものを選ぶのがおすすめです。
◾️公式テキスト
◾️おすすめの市販テキスト
市販のテキストは問題集も一緒に掲載しているものもあるので、実際の試験対策ができるものがおすすめです。
下記はカラーコーディネーター検定と色彩検定のおすすめ市販テキストです。
また、テキストで理解を深めたら問題集を解いてみましょう。
カラーコーディネーターの練習問題集は、公式ホームページにて購入が可能です。
→東京商工会議所公式ホームページ
色彩検定の過去問題集は公式の書籍が販売されています。
毎年更新されているので最新の書籍を選びましょう。
実際の試験での問題の練習と自分がしっかりとテキストの内容を把握しているのか確認することができます。
Q&A:よくある質問
Q1: カラーコーディネーターの資格と色彩検定の間にどのような違いがありますか?
A1: カラーコーディネーターの資格は、色彩計画の実践的な応用に重点を置いています。これに対し、色彩検定は色彩理論、色彩心理学などの理論的知識を評価するものです。
Q2: カラーコーディネーターの資格と色彩検定を合格するためにはどのようなステップが必要ですか?
A2: 通常、関連する書籍や問題集で勉強し、試験に合格する必要があります。
オンラインスクールや通信のコースを受ける方法もあります。
Q3: デザイナーが、検定を受けるメリットは何ですか?
A3: 検定は、デザインの専門性を示すものであり、特にキャリアを目指す方にお勧めです。
また、色に関する深い知識はクライアントや就職・転職時に高い評価を受けることができます。
まとめ:あなたに合った選択を
カラーコーディネーターの資格も色彩検定も、それぞれに特有の利点があります。
どちらを選択するかは、今後のデザインの分野、興味、キャリア目標によって変わってきます。
どちらの選択も、デザイナーとしての専門性を高め、市場での競争力を強化します。
カラーコーディネーターの資格と色彩検定の両方を取得することも、自分のスキルと市場価値を最大限に高めるための有効な戦略です。
自分の今後のキャリアを想像しながら自分に合った検定を受験しましょう^^